税務署の調査と相続税の関係

税務署が行う調査~相続税の調査

9月 28th, 2010 by 税務署調査マン

前回ご紹介したように、税務署が行う税務調査は納税者の同意が必要な任意調査です。
税務署が行う税務調査のほとんどは任意調査。また、個人が税務調査を受けるケースはほとんどが相続税の調査です。

一般の納税者の方に税務署の税務調査が入るケースはほとんどなく、ものすごい資産家、例年に比べて極端に多くなったり、少なくなったりした異常な申告の場合を除くと、税務署の調査が一般の家庭に入るケースは相続税に関わるものに限られるようです。

お聞きになったことがあると思いますが、相続税とは親族が死亡したことにより財産を承継した場合や遺言により財産を譲り受けた場合に生じる税のことです。

[相続税とは?]
亡くなった方を「被相続人」、相続によって財産を承継した方を「相続人」といいます。故人の遺産は、遺言がある場合には遺留分(※)を侵さない限りにおいて、被相続人の遺言書に従う形で配分されます。遺言書がない場合には、相続人が協議して相続分を決めていきます。

(※)遺留分とは?
民法では、被相続人が遺言で自分の意思を残すことによって自由に財産を処分する権利が認められております。しかし、親族などの相続期待利益を保護したり、遺族の生活を保護するといった観点から、相続財産を一定の遺族に留保するという制度を設けています。

分割協議がどうしても解決しない場合、相続すべき人と連絡ができない場合等で分割協議ができないときは遺産分割の調停を家庭裁判所へ依頼することができます。なお、遺産分割がまとまらない場合でも、申告期限(※ 被相続人が亡くなってから、10ヶ月)までに相続税の申告と納付を行わなければなりません。

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税務調査は強制?

8月 26th, 2010 by 税務署調査マン

税務調査というと、映画の印象が強いせいか強制的に調査されると思い込んでいる人が少なくないようです。
しかし、一般的な「税務署の税務調査」は「任意調査」と呼ばれる調査です。国税局査察部、通称「マルサ」が行う強制調査とは違って、調査を受ける側の任意の合意に基づいて行われる調査なので強制的に調べられるということはありません。

通常は3年に一度ぐらいの割合で、税務署の税務調査が入ると言われておりますが、一概に決まっているわけではありません。

3年に1度調査が行われる会社もあれば、中には10年以上も税務署の税務調査がないという会社もあります。この税務署の調査は、どの会社も平等に調査しているわけではありません。どの会社を税務調査対象とするのかは、税務署の税務調査官の個々の判断に基づいて行われているようです。

税務署には個々の会社ごとに、過去の申告のデータ等を整理した「税歴表」というものがあり、税務署の調査官が自分の担当の会社の税暦表を見ながら税務調査先を選定していく流れなります。税務調査先選定の際、売上規模が大きい黒字の会社、最近急激に業績が向上した会社、多額の貸倒を計上している会社、土地建物などの取引があった会社などが税務調査対象になりやすいと云われています。

この任意調査というのは、何をするにも調査される側の承諾が必要となる調査です。書類を税務署に持ち帰って調査したい場合も納税者側の同意がなければ行うことはできません。また、プライバシーの部分にまで任意調査は及ぶことはありませんから、強制捜査まがいの任意調査を受けそうになったら強く抗議しましょう。

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二重課税とは?

7月 13th, 2010 by 税務署調査マン

先日、年金型生命保険の受取に相続税と所得税の両方を課すのは二重課税だという最高裁判決が下されたというニュースが話題となりました。

『最高裁が生保課税「過払い」認定!』
(asahi.com|2010年7月7日配信より一部引用)
 ここ15年ほどの間に、かなりポピュラーになってきた収入保障保険。保険の加入者の死後、一定期間、遺族などの受取人が年金のようなかたちで毎年保険金がもらえるというもので、通常の生命保険に特約として付けられることが多いようです。

 この所得保障保険にかかる税金が、相続税と所得税の「二重課税」にあたるということで、6日、最高裁で国側が逆転敗訴しました。~<以下省略>

生命保険金は相続した財産とみなされ、相続税の対象となりますが、所得税法では相続財産には所得税を課さないと定めており、法の解釈によって国側に有利な課税措置が取られてきていたのです。しかし、今回の最高裁判決によって国のこれまでの課税措置が税の公平性の観点から、間違っているとの判断が下されたのですね。

今回のケースは一時金として全額受け取っていれば相続税のみなのに、分割で受け取った場合には相続税プラス所得税も課せられるのはおかしいという至極真っ当な主張が認められたという次第ですね。今後、所得税の返還請求が相次ぐことが予想されますが、国や税務署はその対応のための準備を急がなければならないでしょう。野田財務大臣は過去5年分だけでなく、それ以前についても返還請求があった場合には変換する意向を示していますから、心当たりのある方は早急に資料を探しておいたほうがいいですよ、きっと。

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意外と知らない税務署のこと

6月 28th, 2010 by 税務署調査マン

個人事業者の方、会社を経営している方なら税務調査の経験があるかもしれません。しかし、税務署に呼び出されでもしない限り、税務署は確定申告で利用するのが関の山ってことないですか?
そこで今回は税務署のことを少し詳しくご紹介しましょう。

[税務署の組織]
税務署は警察署や消防署のように署長さん、副署長さんがいらっしゃることはなんとなくわかりますが、それ以外にどんな人がいるかは意外と知らないものですよね。まず、税務署で一番偉いのは税務署長です。その次が副署長で、何人かいらっしゃいます。それ以下税務署には、法人、個人、資産、徴収、間接税(酒等)、総務という組織が設けられ、管理職の方が何人もおられます。

[税務署の役職]
一般企業であれば、部長、課長、係長、主任といった役職で大体上下関係がわかります。しかし、税務署の場合はそういった呼び方をしないので上下関係がわかりにくいところがあります。税務署には統括官(とうかつかん)、上席(じょうせき)、特別調査官(とくべつちょうさかん)、連絡調整官(れんらくちょうせいかん)、審理担当官(しんりたんとうかん)、××官、○○課長という役職があります。

副署長が法人、個人、資産といった各部門の担当責任者となります。一般企業でいえば、取締役本部長といったところ。その下に個人1部門、2部門とか法人1部門、2部門・・・という部門があり、その部門長として統括官が置かれています。一般企業では、営業一部長、営業二部長という感じです。

そして統括官の下に、部門のメンバーがおり、その中で上席と調査官がおられます。課長、係長という感じですね。

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相続税関連ニュース

5月 25th, 2010 by 税務署調査マン

相続税に関する報道が最近ありましたので、ここで少し紹介しておきましょう。

『相続税対象は4万8千人、国税庁 課税割合、また最低』
(47ニュース【共同通信】5月18日配信より引用)
08年中に亡くなった人のうち、保有していた財産が相続税の課税対象となったのは、4・2%の約4万8千人だったことが国税庁のまとめで18日、分かった。
------(中略)------
国税庁によると、課税対象となった相続財産の価格は10兆7248億円(前年比1%増)で、1人当たりでは2億2339万円。税額は1兆2504億円(同1%減)で、1人当たり2604万円だった。

財産の内訳では、土地が全体の約半分に当たる5兆8495億円で最も多く、次いで現金・預貯金等が2兆5362億円、有価証券が1兆5680億円だった。
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相続税を納める人というのは、納税者のうち5%弱(100人中5人程度)だということがわかります。相続税を支払った人以外の95%は財産を残さなかったか、又は控除額におさまったということになりますね。それほどまでに相続税というのは庶民に関係ない税金なのだということが云えますね。

相続税対策というのはほんの一握りのお金持ちがお金をかけてやるものだということです…ちょっと今回は辛口になってしまいましたね。

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相続税は必要なの?

4月 26th, 2010 by 税務署調査マン

相続税がかかるのは当たり前だと思うかもしれませんが、世界には相続税がない国もあります。Wikipediaによると、スイス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、スウェーデン、イタリア、マレーシア、シンガポールなどは相続税がなく、アメリカも廃止の方向だそうです。

そもそも日本の相続税は、明治時代に日露戦争の戦費調達を目的に制度化されたのが始まりだそうです。当時の日本は華族制度があり、財閥もいっぱいあって、お金持ちと一般市民では格差がとても大きい社会でした。相続税が定められたのは、大金持ちの財産を効率良く搾り取るためだったのではないでしょうか。

それが、太平洋戦争が終わって財閥解体された後にも残り、国民全般の収入水準が上がった後にも残っているというのが現状だと思います。一般サラリーマンの生涯獲得賃金が、高卒で2億円余り、大卒で3億円程度と云われます。相続税は1000万円以下では10%の課税ですが、3億円以上の相続財産となると半分が徴収されることになっています(※ サラリーマンが一生働いても、残せない額ではありますが。。。)

しかし、ギャンブルなどで3億円儲けたというならいざ知らず、死ぬまで一生懸命働いて所得税を毎年払った上で3億円貯めた人であっても、その半額分を強制的に相続税として徴収されるのだからおかしな話です。宝くじで3億円が当たったら非課税でも子どものために残してあげたいと思っても贈与税か相続税で半分持っていかれてしまう。。。そんなに税金で持っていかれるのであれば、全部使ってしまえと無駄遣い。

なんだか相続税っていうのは納税者にとっては百害あって一利なしのような気もしますが。。。どうなんでしょうか?

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相続税の基礎知識~限定承認とは?

3月 25th, 2010 by 税務署調査マン

相続とは、ある人が死亡したとき、その人(被相続人)の財産を一定範囲の親族(奥さんと子供など一定の血族からなる法定相続人)に受け継がせることです。財産には、預貯金や有価証券をはじめ不動産などのプラスの財産のほかに、借入金や未納の税金といったマイナスの財産も含まれます。その法定相続人には民法により相続財産・債務の相続割合(法定相続分)が決められています。

[相続人になれないケース]
資産目当てに親を殺したり、遺言を偽造したりした場合、犯罪が発覚すれば刑事罰を受けると同時に、相続人となる資格も失います。これを「相続欠格」といいます。

[相続人を廃除するケース]
被相続人の意思で、相続人の資格を失わせる『相続人の廃除』という制度があります。被相続人を虐待したり、被相続人に対して重大な侮辱を加えたり、妻子を捨てて不倫に走り、親としての義務を一切果たさないなどの場合、被相続人が家庭裁判所へ請求し相続人の廃除をする事ができます。

[相続放棄]
◆マイナス財産がプラス財産より多い場合
被相続人が多額の借金をしていた場合、相続人がその借金を背負い込まなくてもよいように、相続人には相続を放棄する権利が与えられています。相続放棄をすれば、たとえ親や夫に莫大な借金があっても、残された子供や妻は借金も引き継がなくてすみます。

◆家業の後継者に相続財産を集中して、家業の存続をはかろうとする場合
故人が商売などをしていた場合、家業を継続するため、他の相続人が相続放棄して、長男に家業の事業用財産を集中することがあります。

※ 相続放棄の注意点
1.相続が開始したことを知ったときから3ヶ月以内に、家庭裁判所に相続放棄の申立てをしなければなりません。
2.この申立てをしなかったとき、又は相続財産に手をつけてしまっていると相続したことを承認したとみなされ、相続放棄はできなくなります。

[限定承認とは?]
相続によるプラス財産の限度でのみ、被相続人のマイナス財産(負債)を引き継ぐことを『限定承認』といいます。これは相続財産の範囲内で借金を清算し、余ったら相続、マイナスであればそれ以上の負債は返済しなくてもいいという制度です。

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税務署の調査

2月 23rd, 2010 by 税務署調査マン

相続税の調査において、まずはじめに調査するのは課税対象となる財産、つまり「存在しているもので財産価値があるもの」となります。具体的には、土地や家、事業用の機械器具等、有価証券や預金などです。

次に「みなし財産」といわれるものがあります。どういったものかというと、被相続人が亡くなったことによって発生する死亡保険金や、共済金、死亡退職金などのこと。これらは相続財産とみなされることから「みなし財産」と呼ばれます。また、相続から遡って3年以内の「贈与財産」については、相続税の対象となります。(贈与については、昨年末の鳩山家の子ども手当が記憶に新しいですね)

その相続税に関して税務署の調査が入るわけですが、税務署の方は『支払調書』や『内部資料』というような独自の資料を収集してるそうなので、もちろんごまかしはききません。税務署の調査の一般的な流れとしては、死亡したあとに役所に出す『死亡通知』があると、そのあとに支払調書の調査があるそうです。これは生命保険金や退職金などの情報です。そして内部資料の調査というのは資産家の財産リストなどのことのようですね。

その他の調査には証券会社や銀行、登録所などへの照会……と言ったように多方面にわたってさまざまな調査が入るというわけです。これが税務署の相続税に関する調査の流れとなります。このように、税務署の方々はとっても大変なお仕事をしているのがわかります。相続税だけに限らずいろんな税務について毎日いろんな調査をしているのですね。

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税務署で確定申告!

1月 26th, 2010 by 税務署調査マン

果たして鳩山首相は確定申告の日程を知っていたのか?
……そもそも自分で税務署に行って確定申告した経験があるのか?
ここ最近、日本には税なんてものは存在しないかのような事実が次々と明るみに出てきています。政治のトップの税に対する意識が今のままでは真面目に納税している人が気の毒になってきます。猛省をお願いしたいですね!

さて、今年も確定申告の時期が迫ってきました。申告期限は3月15日までですが、税務署の混雑も予想されるので早め早めの税の申告を心がけましょう。きちんとした税の申告で税務署の調査の心配なしです!

「イータックス(e-Tax)」ってご存知でしょうか。
ネットで確定申告が出来るシステムで、わざわざ税務署へ足を運ばなくてもよくなるのです。確定申告の時期の混雑した税務署で時間を費やす必要が無いので、時間の節約にもなります。平日の日中が勤務中で税務署に行けない方には適した方法ですね。

この税務署いらずのイータックスは、以下の環境が整っていれば可能になります。
(1.)インターネットとつながったパソコン
(2.)ICカードリーダライタ

ICカードリーダライタ用の「電子証明書」の発行方法には幾つかの方法がありますが、一番簡単な方法は、お住まいの市区町村役場へ行って、住民基本台帳カード(住基カード)を作成し、そのカードに電子証明書を組み込んでもらえばOKです。詳細は税務署の窓口の人に聞けば親切に教えてくれます。出来れば確定申告期間が始まる前に税務署の窓口で確認しておきましょう。

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税務署の調査の種類

12月 22nd, 2009 by 税務署調査マン

通常、税務署が行う税務調査は、「任意調査」と呼ばれる調査で、税務調査を受ける側の同意がが必要となります。日本の納税システムは自己申告なので、税務署の調査はあくまでも納税者の納税がしっかりと行われているかチェックするというものになっています。しかし、税務署が行う税務調査には、任意調査意外にも「強制調査」というものがあります。

[任意調査]
通常の税務署の調査は「任意調査」です。申告内容について税務署が確認するために行う税務調査で、この調査はあらかじめ脱税または不正の事実を把握した上で行われる調査ではなく、税務署から事前に調査の予定日を連絡・確認して実施されます。しかし、現金商売の場合「現況調査」と呼ばれる事前連絡無しの調査が行われる場合があります。

[強制調査]
任意調査と違って、事前調査から悪質な脱税が疑われる容疑者に対して、裁判所が捜査令状を発行、国税局査察部が強制的に証拠物件や書類を押収して実施する税務調査です。この調査は相当悪質な脱税が予想される場合に実施されます。テレビや報道などで見るダンボール箱いっぱいの書類を押収している様子、あれのことです。この税務調査を行う国税局査察部は通称「マルサ」と呼ばれています。

税務署の調査は任意調査とはいえども、税務職員には法律で定められた「質問検査権」があるので、正当な理由なしに何度も税務調査を断った場合には、所定の罰則が科せられることもあります。

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